ryu-hashimoto’s blog

グルテンアレルギースキーヤー、ドローンパイロットの話

GPS対空標識は公共測量に適しているのか?

Aeropointが発表された
先日、テラドローンさんから販売が発表されたGPS内蔵型の対空標識(標定点)が気になって仕方がないので少し調べてみました。

www.terra-drone.net

AeropointはGPSモジュール内蔵の対空標識。対空標識とは、空中写真測量にとって目印となる標識でこの位置情報をもとに同じ高さの位置を取得して、等高線が描かれる数値地形図や3Dで表示できる三次元点群データの作成が行われます。
この対空標識は単に置けばいいのではなく、大きさや柄の標準が規定されています。
【対空標識のサンプル】

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また大きさは撮影する空中写真に15画素以上で写る大きさを標準とされているのですが、測量に使うドローンのカメラ(1インチ以上のセンサー)で150m未満での撮影であればほぼクリアします。
地形図の作成にしろ3D点群データ作成にしろこの対空標識(標定点)がないことには相対数値しか得られないので公共測量としても簡易的に容積を求める場合でもあまり役に立ちません。
この標定点ですが、設置後に平板測量(古い!し多分NG)やトータルステーションで位置情報を計測する必要があります。
また、標定点の数もマニュアルで規定されています。
例えば地形図作成に置いての撮影コース(単コース)の標定点を求める場合は、ステレオモデルの上下に各1点および両端のステレオモデル以外ではコース内に均等に配置することが標準となっています。
NH=NV=〔n/2〕+2
NHは水平位置、NVは標高です。
ちょっとこれ以上標定点の話が続くと難しくなるので、いったん話を対空標識の測量にもどします。
対空標識の測量はマニュアルで測量方法が規定されています。
三次元モデルの場合はTSで測量しなければならないのです。
標定点及び検証点の観測方法
第54条 標定点及び検証点の位置及び高さは、準則第3編第2章第4節第1款のTS点の設置に準じた観測により求めるものとする。ただし・・・

第3編第2章とは現地測量のことです。そして第4節とは簡単に言うとTSかGNSS測量機を使って測量しなさいと言っているのです。

GPS内蔵の対空標識は使えるのか?
通常GNSS測量機は測量機の検定を受けています。
検定とはその測量機が公共測量作業既定の準則に定める基準に適合しているか否かを判定するものです。

公共測量では使えないらしい
う~ん、スペックなどだけで見ると少し問題が・・・
1.高い
2.時間がかかる
3.検定受けてる?
なぜ高いのか?
そうです。日本の測量はとんでもなく正確なのです。その理由は三次元点群データの作成において標定点(外側)、標定点(内側)、検証点を配置しなければならず、例えば位置精度が5センチ以内だとすると、隣接する外側標定点間の距離は100mいない、任意の内側標定点とその点を囲む各標定点との距離は200m以内でなければならないのです。
仮に200m四方の地面を三次元点群データにしようとすると、外側標定点8点、内側標定点1点。更に検証点(標定点総数の半数以上)5点合計で14点必要になります。
時間がかかる?
45分でアクチベーションが完了するそうです。
全ての標定点を置き終わってから45分です。
検定・・・
これがGNSS測量機としているのかがポイントです。

一度測量会社さんと共同で使ってみたいです。